Memory's Piece
そう理解した途端、ボクの体を衝撃が襲った。
それは体が内側から爆発するような衝撃。
それなのに激しい痛みを伴うそれは何故かボクを酷く安心させた。
小さな『身体』という器に収まり切らなくなった感情がどっと体から溢れ出していくそんな感覚が気持ち良くさえあった。
頼兎が何かを言ってるのに聞こえない。
雑魚が何かを喚いてるのに何も聞こえない。
「死ねばいいのに」
感情と感覚に体を委ねたまま、妙に冷静な頭でボクはポツリと小さく呟いた。
冷たい響きを含む小さな呟きはボクの口をついて出たのか、心の中でそう思っただけなのかはボク自身にもわからなかった。
ただ唯一わかったことはボクにはボクがもう止められないってことだけ。
体が徐々に軽くなっていく中で視界がクリアになって、嗅覚聴覚がともに鋭くなっていく。
視界が低くなって、両手足で地面を感じる。
「グルル・・・・」
喉の底から唸りが洩れた。
小さく微かな唸り。
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