Memory's Piece

後半、白熱して強く連打したときにバキバキって音がしてたから多分そのせいだろう。

か弱い体だなぁ。もう。


「にぁ~ぉん」


糸の切れた操り人形のごとく動かなくなった雑魚を打ち捨てて、ボクは新しい玩具を求めてガリッと地面を掻いた。

その頃には、なんの目的があったのかなんて頭から抜け落ちていた。

激情も忘れ、ただボクの体は猫としての『本能』で動く。

いたぶって、玩んで打ち捨てる。それが猫。

気まぐれで残酷。それがボク。

さすがに恐れをなしたのか、向かってこようとしない雑魚にわざと牙を見せ付けて、ボクは雑魚の横を駆け抜け様に噛み付いた。

・・・・ごめん、訂正

噛み付こうとしたの間違い。

その雑魚とボクの間に滑り込むようにして割り込んできた大馬鹿者がいたんだ。


「魅稀!」


腕を振るって、引き裂こうとしたけどすんでの所で止められてイライラが募った。


邪魔すんなっての。


多分、喋れたら発していたであろう言葉と罵詈雑言を心の中で並べ立てて、ボクは大きく吠えた。

尻尾を大きく一振りして飛び掛かろうと後ろ脚に力を込めたら


「魅稀、落ち着けって!!」


と横から突進するような勢いで腰に抱き着かれた。

鬱陶しい。

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