デスゲーム

―涙―

「ギャハ☆アバよ」

「ッしまった！神ざ…」


一瞬の出来事だった。恐怖に震え手を離した瞬間、神崎の身体が勝手に…宙に浮かんだ。

そして鎌が刺さったままレインの振った指の先――フロア外に移動し、そのまま下へ落ちていってしまった。ただひたすらに重力に身を任せて。


「清水ぅ、新シい試練ダァ！それは『この空間で一人になること』。俺様は神崎を殺して一人になっタ。…さて、貴様らはどうスル？」


何だよ…それ…。俺と雫は二人。一人になるにはレインのように……違う！その選択肢だけは絶対ありえない。どうする？


「ギャハ☆答えられないんなら俺様が手伝ってやるよ！！」


え？俺と雫。ここまで勝ち進み、『デスゲーム』参加の資格があるのは俺だ。だとするとレインの標的は…。




仮面の下で赤く光るレインの目が……雫を捉えた。


「まずい…。雫！逃げるぞ！！」


咄嗟に雫の元まで駆け寄り、手を繋ぐ。逃げる場所……逃げる場所……あそこしかない。

上のフロアへ続く階段に向かって走り出した。