ブラッディ・ロマンス。【短編】
頭の中も激しく揺れる。
神藤くんの顔も揺れる。
違う。
あたしの体が揺れてるから、視界も揺れて見えるんだ。
それに気づくと同時に、視界が天井に変わり、
目の前が真っ黒になった。
「危ない…!!」
その声で、意識が引き寄せられる。
目を開けると、
神藤くんの顔と、彼の後ろに天井が見えた。
頭の後ろには彼の熱い手。
吸血鬼でも体温は熱いんだ。
そんなことをぼんやりと考えてると、
その手の力で、あたしの体は起こされた。