そこは、まるで。
和美姉ちゃんと二人で居酒屋を出て、夜中に家に帰ると居間の電気がついていた。

『あれ…起きてる』

夜中に帰ろうが朝帰りしようが何も言わない両親で、むしろどこで何をしたって話を笑いながら聞いてくれるから。

今日の和美姉ちゃんとの語り合いの話をしようと、勢いよく玄関に飛び込んだ。

「ただいま!!」

ぱっと振り返った二人の顔を見て驚いた。

お父さんも、お母さんも泣いてる。

「…どうしたの…」

お父さんもお母さんも、涙を流す人じゃない。

この18年間、二人の顔は笑顔しか知らないのに。
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