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「…嫌なら、遠慮しないで言えよな」


将真くんはそう言って、

教室から出て行ってしまった。



…違うよ…


嫌なわけないよ…



はずかしいだけなのに…





「……木下さん、木下さんがどんなに可愛くなっても、負けないからね」



上原さんが私のそばに寄ってきて、

将真くんを追って、走って行ってしまった。



「…なんかすごいことになったねー」



また、今日教室がいつもどおり

うるさくなっていく。



「…木下。あんな奴やめて俺にしたら?」


平塚くんが私に向かって言ってきた。


「…は?」


「だからー…俺と付き合ったら?」


「…なんで私が?ありえないから」



気持ち悪い。


少し外見が変わったくらいで

こんなにも態度が変わるもんなの?



……私は…将真くんじゃなきゃ

可愛いって言われたって嬉しくないよ。









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