―White Memory―
その日も朝まで飲み明かし、睡魔を引き連れて帰宅。
下駄箱の上にカギを放り投げ
乱雑にバックを床に置くと、あたしはベッドへ倒れ込んだ。
「頭、痛ぁ…。」
ズキンズキン、と脈打つように痛む頭に眉を寄せる。
ここ最近睡眠時間も削って遊び、飲んだくれてばかり。
今すぐに眠りたいけど、化粧落とさなきゃ。
その前に、二日酔いの薬を飲もう。
そう思いながらベッドから起き上がると、テーブルに出しっぱなしの薬に手を伸ばした。
と、その時。
バサバサ、と音を立て
無造作に置いてあった無数の封筒がテーブルから床に落ちる。
どうやら薬を取った拍子に肘で押してしまったらしい。
請求書やら、何やら。
「…もぉ、」
見るのが面倒で放っておいた自分がいけないんだけれど。
そのままにしておく訳にはいかず、仕方なく拾い集めると、ある一通の封筒が目に入った。
何の変哲もない、あたし宛ての真っ白な封筒。
だからこそ、何だか気になって宛名が書かれた面をひっくり返してみる。
心臓が、止まるかと思った。