白波リズム
学食に着くと、ノリはすぐにメニューを選びに行った。


「もう腹ペコ~!!」

ノリは、子どもみたいにお腹を押さえた。


「私はハンバーグにしよ~。」

サクッと今日のお昼ご飯を決め、ハンバーグを受け取りに行った。


お昼前だから、学食はとても空いていて、並ばずに受け取ることが出来た。


ふと後ろを振り返ると、まだノリがメニューの一覧と睨めっこしていた。



「ちょっと…まだ決めてなかったの?」

半ば呆れながら、ノリに話しかけた。


「ラーメンも食べたいんだけど、この限定の丼も捨てがたくて…。」

ノリが真剣な顔で言う。


「どっちも食べればいいじゃん。」


「そこまではいいって言うか…。うわっ、ハンバーグも美味しそう…。」


「ハンバーグはあげるから、ラーメンか丼かどっちかにしなよ。」


「うん、わかった…。」

そう言いながらも悩み続けるノリ。


もうかまってられないから、先行こう。




私は会計を済ませると、窓側に座った。



窓の外を見ると雨がポツポツと降り始めていた。


雨を見ると、あの日のノリを思い出す。


別人みたいな顔したノリと彼女の姿。


その度に、心はギュッと締め付けられた。


< 14 / 14 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

イマ ツタエタイ。

総文字数/3,025

詩・短歌・俳句・川柳16ページ

表紙を見る
音速より速く。【短編集】

総文字数/4,943

その他21ページ

表紙を見る
絶望カウントダウン。

総文字数/2,603

詩・短歌・俳句・川柳13ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop