愛しー時に抗うもの達ー
遠くに見える彼の姿。
おびただしい程の血を頭から流す海の顔は、遠くから見ても青白く見えた。







嘘だ…、
嘘だ…
嘘だッ!!!!









彼に駆け寄った。









「海?ねぇ、病院行かなくちゃ。もっと元気いいのが海じゃんか…




起きろよ!」




泣き叫ぶ私は滑稽だろう。



海の瞼は閉じたままだった。








寒い冬の風に海の体はだんだんと冷えてくる。









やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ…










私を一人にしないで…










私は、親がいない。
今は両親が残した財産で生きている。

唯一の支えが海だったんだ。











海、海、海…。













私も今から逝くね?










そしたら、伝えるよ







君が、好きだって…


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