心の距離
彼女に近付こうと、自分なりにほんの少し積極的になった事も、ほんの少しの時間だけ彼女の彼氏になった事も、全てが夢のように感じる。
「瞬、暗いぞ」
春樹さんの声で我に返り、灰が落ちそうになっていたタバコをデカい缶の中に力無く落とした。
「…さっきの話、全部嘘だぞ」
「…さっきの?ですか?」
「社内恋愛禁止って奴。ヒデ、彼女が居るクセに、ことみちゃんに言い寄ってたんだと。社長、浮気とか嫌いだから、見るに見兼ねて嘘ついたらしい。ホント、見た目は強引な肉食系なのに、中身は内気な草食系なんだから…ボケッとして無いで、飯位誘ってみたらどうだ?今、グラス洗ってるよ」
慌てて立ち上がり、ことみちゃんの居る給湯室に向かった。
グラスを洗っている、彼女の小さな背中を見ただけで、一気に緊張が走り、心臓が尋常では無い程跳ね上がる…
「瞬、暗いぞ」
春樹さんの声で我に返り、灰が落ちそうになっていたタバコをデカい缶の中に力無く落とした。
「…さっきの話、全部嘘だぞ」
「…さっきの?ですか?」
「社内恋愛禁止って奴。ヒデ、彼女が居るクセに、ことみちゃんに言い寄ってたんだと。社長、浮気とか嫌いだから、見るに見兼ねて嘘ついたらしい。ホント、見た目は強引な肉食系なのに、中身は内気な草食系なんだから…ボケッとして無いで、飯位誘ってみたらどうだ?今、グラス洗ってるよ」
慌てて立ち上がり、ことみちゃんの居る給湯室に向かった。
グラスを洗っている、彼女の小さな背中を見ただけで、一気に緊張が走り、心臓が尋常では無い程跳ね上がる…