心の距離
月曜になり、会社に向かおうと歩いていると、背後からヒールで駆け寄る足音が聞こえた。
「おはようございます!」
耳に飛び込んできた愛しい声。
「…おはようございます」
足を止める事も無く、小さく告げながら横目で彼女をチラッと見た。
「…風邪ですか?」
不安そうに聞いてくる彼女。
真直ぐ前だけを見ながら、小さく答えた。
「いや…違いますよ」
「…元気無いですね」
「そんな事無いですよ」
「…腕枕したから?」
「その話はやめよう。誰かに聞かれたらヤバい」
「だって…」
「遅刻するよ」
彼女の言葉を遮り、黙ったまま会社に向かった。
僕の少し後ろを歩く彼女。
傷付けたくは無かったが、避けるような態度を取る事しか出来なかった。
会社に着き、タイムカードを押した後、彼女は寂しそうな表情を浮かべながらパソコンに向かった。
…いくらなんでも、あんな態度は無いか…
ほんの少しの後悔を胸に、彼女に歩み寄ろうとしたが、ここは事務所。
社長の前で話しかけるのも気が引けるし、他の社員に見られたくない。
何より、ヒデに見られたら、物凄く面倒臭い事になるのは目に見えてる。
「おはようございます!」
耳に飛び込んできた愛しい声。
「…おはようございます」
足を止める事も無く、小さく告げながら横目で彼女をチラッと見た。
「…風邪ですか?」
不安そうに聞いてくる彼女。
真直ぐ前だけを見ながら、小さく答えた。
「いや…違いますよ」
「…元気無いですね」
「そんな事無いですよ」
「…腕枕したから?」
「その話はやめよう。誰かに聞かれたらヤバい」
「だって…」
「遅刻するよ」
彼女の言葉を遮り、黙ったまま会社に向かった。
僕の少し後ろを歩く彼女。
傷付けたくは無かったが、避けるような態度を取る事しか出来なかった。
会社に着き、タイムカードを押した後、彼女は寂しそうな表情を浮かべながらパソコンに向かった。
…いくらなんでも、あんな態度は無いか…
ほんの少しの後悔を胸に、彼女に歩み寄ろうとしたが、ここは事務所。
社長の前で話しかけるのも気が引けるし、他の社員に見られたくない。
何より、ヒデに見られたら、物凄く面倒臭い事になるのは目に見えてる。