Hurly-Burly 【完】

考えただけでも胃が痛くなってきた。

あたしのつるつるオデコさんがボコボコ

オデコさんになっちゃうなんて・・・

いや、まだ負けるとは決まってないもんね。

あたしがデコピンしてやるんだもんね。

サユがあたしのカード見て笑ってる。

後、1枚なんだよ!!

これで抜けられるんだ。

さっ、早く選んでやるんだわ。

そして、上りよ。

馨君のカードを抜く。

クスリと笑う馨君の笑顔が

もうそれは残酷だった。

心の中では超叫んでる。

ぎゃー、出ちゃったよ。

ババ来ちゃったよ。

でも、顔には出さずあたしが

引かれるターンがやってくる。

伊織君、何その勘の良さ。

絶対に、ババを引かずに

先に上がられた。

あたしが一番先に上がれると

思ったのに最後に残ったのは

あたしとユウヤだ。

ババが来て去っての繰り返しに

冷や汗が垂れる。

その様子をコンビが歓声を上げながら

騒いでる。

大人の3人組みはもう興味を失くして、

ちぃー君は窓から景色を眺めてる。

京様は本を読書中で馨君はお茶を飲んでる。

ナル君はサユとあたしの手持ちカードを

見ていて頑張れと言ってくれてた。

「っち、畜生」

ひっそりと言った。

表向き負けちゃったわなんて言って、

ニタリと笑う7人を前にサユに泣きつく。

「い、苛めだ!!

あれは、苛めという集団暴行だ。

リンチだ、あたしのおでこを狙う

凶悪犯が居るんだ!!」

さぁ、おでこ出せよと言わんばかりに

迫ってくる。

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