Hurly-Burly 【完】

ナル君にぎゅうってされて思う。

そういえば、ナル君は可愛いからなんだろうか。

ぎゅうってされても前見たいに人への

不快感を感じない。

たかだか、小さい子のちゅーにナル君は

嫌だとか言ってる。

でも、日常茶飯事ではないからな。

こんなことがある日も中々体験出来ない。

「ナル君、あたし潰れる。」

ぺちゃんこになってしまうよ。

ピザの生地並みの平らになったら

本当に恐ろしいよ。

「カオルー、ヒヨリンがッ・・・・」

のほほんと笑う馨君。

「誘拐されたかって騒いでたよ。」

サユに一瞬目を移す馨君。

少しだけぐったりしてるサユ。

すごく心配してくれたのかもしれない。

「さ、さーちゃんッ。

あたしなど絶対に誘拐されないぞッ。

心配させてごめーん。」

ナル君はふわって笑いながら放して

くれて勢いでサユにタックルする。

「い、痛いよ。あんたは可愛げないね。

一瞬、闘牛かと思ったじゃない。」

サユは憎まれ口を叩きながらも、

優しく頭を撫でてくれた。

「酷いっ、闘牛って・・ホント可愛げないね。」

ちょっと、自分に悲しいです。

心の友から言われたミラクルハリケーン

級の爆弾にあたしのガラスのハートが

砕け散る。

口がお達者過ぎますぜお姉さん。

「でも、見つかって良かったね。」

サユが笑って言うからあたしも笑った。

本当に良かったよ。

お母さんとも仲直りしてくれたみたいだし、

何よりあの子が笑ってくれて嬉しかった。

誰かが笑ってくれるって嬉しい。

そのために、あたしも頑張ろうと思える。
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