Hurly-Burly 【完】

「僕、優真。また遊んでね。」

そう言って、お母さんの方に走った

男の子を唖然と見届ける。

魂が抜けたまま、手を振りかえして

居なくなるまで手を振りかえした。

「日和、あんた年下キラーなのね。

修平のファーストキスもあんたじゃなかったっけ?」

そ、それは確かに・・・

「い、今のは何かの間違いでは?」

キスか。

ファーストキスは結構早かった頃に

手放したっけ。

「あんな小さい子を口説き落とすとは

ひよこのお嬢さんどんなテク使ったのー?」

お前の考えるようなことは何もしてねぇー!!

そして、何だこれは。

「心臓が破裂する。」

小さい子だったとは言え、

ちゅーされるなんて思いもしなかった。

「日和、ひっくり返るな。」

サユよ、見たかい?

もう心臓可笑しくなるである。

ドキドキ半端ない。

男の子恐るべし。

「今の子はあんなに手が早いのか。」

ひっくり返るあたしに伊織君が

ニヤリと笑う。

「あの子の10年後にもう一度会って

みてぇーな。」

あ、会わせんぞ!

変なこと教えるんではない!!

純粋な心を持った少年を・・・

「ヒヨリン、嫌だ!!

ちゅーとか何してやがるんだ。

あのガキがっ。」

ナル君に起こされてぎゅっと抱きつかれた。

夕焼けに染まる空を見ながら、

ふと思い出した。

あたしのファーストキスか。

今のがファーストキスじゃ一生笑えん

冗談になるところだったな。

あれは、いつの日だったけか。

懐かしいようなそんな気がした。
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