Hurly-Burly 【完】

それはもうバシンだかバコンだかいい音を

鳴らして頬に目掛けて華麗なビンタを食らわした。

「そんなに怖い?」

下を向くオレンジブラウンの髪をした

男の子が何故か悲しそうに見えた。

「あなたが怖いかどうかは知りません。

あなたでなくても同じことをします。

普通見知らぬ人に抱きつかれたら

誰だって殴ります。」

決して、間違ったことは言ってないと思う。

「さっき、ナルは平気だったのに?」

ナル?

ああ、もしや美少女だった美少年の?

「女の子だと思っていましたし、お人形さん

かと思ったからその油断しまして・・・」

だからって、同じだ。

見知らぬ人に心を許せるほど寛大ではない。

「えっ?僕、女の子に見えたの!?」

でも、やっぱり可愛いあの子には

キュンとする。

「はい、大変失礼な思いこみをして

すみません。」

だとしても、状況は変わらない。

「いや、いいよ。

そんなきっちんと謝られたら

何か逆に嬉しいから。」

にかっと笑う美少年にときめいた。

何て可愛い子なんだろう。

本当にこの子まで謎の集団と

関係しているの?

「チーにビンタする女の子初めて

見たよ。」

それはこんなイケメンがビンタされる

ことがありえないと言いたいんでしょうか?

「すみません、暴力行為に走ってしまいました。

何とお詫びをすれば良いのか・・・」

あたしが悪いのかと考えて見ても、

やっぱりあたしが悪いところなんて

なかった気がする。

< 18 / 419 >

この作品をシェア

pagetop