Hurly-Burly 【完】

それでも、訴えられても困る。

「怖くない?」

何をそんなに聞きたいんだろうか?

「はい?」

オレンジブラウンの髪をした彼が

一体どこからその綺麗な顔を出した

んだとも言えるような見つめられ、

「はぁ、見た目ですか?

そんなに怖いところがあるでしょうか。

あたしあまり顔が怖いとは思いま」

せんって言おうとしたのに、

「ぶはっ」

さっきまで煩く笑ってたヤツが

再び笑いのツボに入った。

「ねぇ、委員長。

とりあえず、仲良くしようか?」

その手を握らないと帰してくれない

気がした。

「あの、条件です。

あたしの半径1m以内の侵入は

ご遠慮願いたい。」

それでも、オレンジブラウンの

髪がふわりと揺れる。

「ふはっ、その壁ぶっ壊していい?」

いきなり違反宣言!?

「勘弁して下さい。」

これ以上の馴れ合いで蕁麻疹が出来て

熱に魘されたら折角の休日が地獄だ。

「千治、そろそろ引き上げようか。」

そんなこんなで、知り合った問題児

の自己紹介に頭が破裂しそうだった。

オレンジブラウンの髪をしたのが、

黒宮千治と言いあたしの左隣りの

席の主だった。

ブロンドの色をした紳士そうな人が

有栖川馨君、美少年の男の子が華沢成君、

金髪でヤンキーが水谷慶詩君、さっきから

無言の男の子が涌井京君、煩くてしょうがない

人が宇佐木雄哉君、謎のキャラクターが古河伊織君

君という全員がクラスメイトだということに

改めて重大なことを知った。
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