Hurly-Burly 【完】

でも、伊織君最近イライラしてるのかな?

煙草の吸う量が増えてる。

キャンディー買って置いてあるから

たまに気付いて食べてる。

でも、殆どちぃー君とナル君に

食べられちゃうらしい。

「しかし、今日はアヤコちゃんと

ハッスルだからなー」

夜の相手は毎日変わる。

ホント、病気ってぐらいだよ。

「本題入ってくれない?

あたしまだもっくんと遊んでない。」

もっくんと遊ぼうと思ってた。

よっちゃんとオセロをするもっくん

を見ながらテーブルに置かれたオレンジ

ジュースを飲む。

「最近、何か変わったと思うことは?」

そういえば、部屋の模様替えしたっぽい。

カーテンが水色から薄い緑になってる。

テーブルの位置は変わらないけど?

ソファーも変わってないな。

「模様替え?」

敢えて、何を聞き出したいのか。

あたしが踏み込まないことを不思議に

思ってるのか。

この2人の組み合わせは正直お馬鹿に

なれないのがキツイところだ。

「ほぉー、そういうの気付くんだ?」

伊織君の瞳はいつだって綺麗だ。

その瞳に甘い言葉を囁かれた女の子は

数知れずに違いない。

黒のカーディガンにワイシャツのボタンは

胸板が見えるぐらい空いてる。

ホントハレンチな男だ。

「でも、そういうのが聞きたいわけ

じゃないんだけどなー?」

伊織君が苦手なのはこういうところだ。

何を考えてるのか分からない。

軽いのかそうでないのか分からない口調に、

その見透かしたような瞳の色。

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