Hurly-Burly 【完】

それから、一瞬眉を顰める相沢。

「だから、頼むって言ってんだろ?

俺は端っからお前らに頼んでるだろ。

一番近い距離に居るお前らがアイツ

から目を離さなきゃいい。

お前らと居て危険なのも分かって

っけど、それ以前に多分お前らと

居た方がアイツはアイツらしく

居られるんだろうからな。

よろしく頼むよ。」

最初からそれを狙ってたみたいに

しか思えない。

プリント届けさせたのも今日みたいな

ことになることも全部コイツが仕組んで

いたような気がする。

「俺はさ、お前らの気持ち分かるんだなー。

だから、アイツに救われるかもしれないな。

あの子は気付かない内に人のこと助けてるからな。

どうしようもないヤツにほど優しい子なんだ。

ひーちゃん、可愛いだろう?」

煙草を揉み消す相沢がニヤリと笑う。

それはまるで自分のことを言ってる

みたいでそれ以上に大事に思ってる

ことに関係あることをボソッと言ってる

気がして聞き落しがないか気になった。

「まぁ、可愛すぎて正直苛め甲斐がある

ってのも分からなくはないがな。」

村田を殺したそうに見てた今朝の

あの子を思い出したが納得だ。

「悪いな、お前ら。

アイツのことよろしく頼むわ。

俺じゃ、正直見れる範囲が限られて

来るからな。」

そりゃ、どうだろうな。

俺ら何かに任せる気ないだろうに。

相沢も素直じゃないな。

「それで、どういう関係なんです?」

馨はまだそれが気になるのかよ。

俺は特に興味なくなってきたな。

別にどう思ってようが相沢は

一線を越えることはしないだろうな。
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