わがままでゴメン。でもすきなんだよぉ…
視線を上げると、南くんが自分の制服のブレザーを広げ、傘代わりにしていた。





「う…うん…」





たまに見える優しさに、胸の奥のほうが『キュン』と音を立てる。






「それじゃ、オレ急ぐから!!」




「ま、まって!!!」





いつもこうして送ってくれる。





でも、一度も家に上げたことはない。






「ウチ…寄ってきなよ??」




「え…????」





変なふうに思われた???




「いや、別に、変な意味じゃなくて…」




「わかってるよ。でも…いいの??」




「いいよ、今日お母さんいないし!!」



「…」



って、余計誤解されちゃったじゃん!!
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