脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「1~2年は海外に滞在することになるって言ってたよな?」
「その予定だったんだけどな、会社にもイロイロ都合っていうものがあるんだよ」
「……早く言えって。だったら」
「ごめんごめん」
「笑いごとじゃねーだろ」
「3人で住むことになっちまうな、じゃあ」
「アホか。新婚夫婦と一緒に住む気はねーぞ、オレは」
「だからお前も向こうに行けばいいんだって。留学とかさ」
「そう簡単にいくわけねーだろっつーの。何でそう兄貴は昔から単純なんだよ」
「お前が固過ぎんだよ」
同じ腹から生まれた兄弟でこうも違うものかと呆れてしまうくらい、
兄貴は昔からヘンに大らかでマイペースなところがある。
だからオレが冷静沈着型になったと自分では分析してるんだが。
「まあ、彼女もそういうこと気にしないタイプだから、お前が一緒に住むことになっても問題はないだろ」
「……」
のん気に笑う顔を見ているうちに、普通にキレた。
「結婚式になんていかねーからな」
そう、
オレの海外行きというのは、単に兄貴の結婚式に出席するというだけのことだった。