脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「むにゃにゃ……待ってる、からね……流川……」


「……お前の勘違いだったってことだわ」



理恵子さんに勝手に電話していたことには驚いたが、



「いったいどんな会話をしたんだ、お前らは」



まあ、あの理恵子さんも話が見えないタイプだからな。


肝心なところを抜いて説明したんだろう。



しかし勘違いしていたとはいえ、コイツの言うことは正しかった。


行かないと言ったオレに、



“良くないよ。家族なんだもん”



留美事件を通して、あらためてそう感じたんだろうな。


オレだってそうだ。


家族のめでたい日を素直に祝ってやれねぇなんて、有り得ないしな。


結婚式に出席しないなんて、もっと有り得えねぇだろ。



しかし兄貴にタンカを切ってしまった手前、


オレの性格も災いして、行くに行けない状況になっていたのだが……



“行ったほうがいいよ。みんないるんだもん、そっちに”



深刻な顔で、必死でオレに伝えようとする。



“ごめんね。流川のこと、考えてあげれなくて。気づけなくて。話せるような相手じゃなくて”



始めはオレも、コイツの勘違いに気づいていなかった。


子どもみたいなケンカの仲直りをさせようとするには……コイツの言葉が深すぎる。


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