脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
その日の夕食は久しぶりに家族全員が顔を合わせた。
日本でも揃わないことが多かったから、特に感慨深いものがあるわけでもないが……こういうのもたまにはいい。
それでもオレの頭の中は、
留美が何の問題もなくこんなふうに家族と食卓を囲める日が来るんだろうかとか、
今ごろアイツはひとりの部屋で何をしているのだろうかとか……
「……オレはつくづく振り回される運命らしい」
笑い声で溢れるテーブルで、浮かんでくるのは心配事ばかりだ。
ちきしょ。
それでも、気を使うことのない家族と過ごすひと時は、
ハワイの開放的な雰囲気と絶えず聞こえる穏やかな波の音にも癒されて、イイものになった。
次の日の式は、
青い海に囲まれた教会での、華やかではないが和やかで清々しい素晴らしいものだった。
やはり来てよかったと、2人の笑顔を見ながらアイツにも感謝した。
「写真ヨロシク」
何でオレが撮らなくちゃならないんだと文句を言ってやったが、
いざ本番となると勝手に手と足が動く。
笑っちまうな。
が、これが身内ってもんだろう。