脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
25日朝、
兄貴らに別れを告げてから早々に乗り込んだ便で、日本に戻ったのは26日の午後2時ごろだ。
クリスマス当日をすっ飛ばしたかたちで到着した日本では、何となくだが浮かれた空気も薄れていた。
「しかし寒いな」
向こうとはまるで違う気温に首を縮めながら見上げた空は、雪でも降りそうに真っ白だ。
「ん? いねぇのか?」
真っ直ぐマンションに戻ると、アイツの姿がない。
代わりにどこから見つけたのか、しばらく使っていなかったデカいクリスマスツリーが出されていた。
「こんなデカいツリー、ひとりで飾り付けしたのか?」
よくやったもんだ。
ヘタクソな鼻歌を歌いながらイスにのってオーナメントを取りつけている姿を思い浮かべたら、少し笑えた。
まあでも、寂しさを紛らわすためにやったんだろう。
イブとクリスマスと、ひとりの部屋でどんなふうに過ごしていたのか。
それを考えるとやはり可哀そうなことをした気分になる。
いきなりだったしな。向こうに行く日を告げたのも。
カウンターを見てみると、バイトのシフト表が置いてあった。
「働くな、アイツ」
イブもクリスマスも今日も、仕事を詰め込んだらしい。
「これじゃ探せてねぇだろうな」
ベッドの上もソファの上も確認してみたが、カエルの姿は無い。
「どれ……オレも行動開始するか」
日本を経つ前に思ったアイツが喜びそうなこと……
カエルを探してやるつもりで再び外へ出た。