僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
◆Side:有須
アラーム音に導かれるよう目を開けると、まだ部屋は薄暗く、布団の温かさがあたしを眠りに縛りつけていた。
もぞもぞと腕だけ出して、鳴り響く目覚まし時計を止める。
秋の寒さに追い付けない体を布団に潜りこませ、寝ぼける頭を再び眠りに誘った。
「……」
二度寝、ダメ!!
鞭を打って起こした体は突然の寒さに震え、筋肉という筋肉が収縮する。
「寒い……」
やっぱりもう少し寝ようかな。
誘惑に負けそうになった時、リビングから響く包丁の音が聞こえた。
……今日の朝食当番、誰だっけ?
自然と暖かいリビングを想像してしまう。料理する音に、芳ばしい香りや、みんなの笑顔と甘いココアを連想させた。
それが待っていると思うと、冷えたフローリングにつま先を付けることに抵抗はなかった。