僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


リュウさんとユナさんが戻ってきたことで、初代のメンバーも除々に戻ってきたらしい。


嫌味ではなく、祠稀やチカのような、子供だけではスムーズにできなかったことが、大人にはできたりする。


嫌いな部類に入る大人であっても目的は一緒だから、今の威光のメンバーは初代メンバーを受け入れたらしい。


もっとも、祠稀在っての納得だったんだろうけど。


祠稀も祠稀で、時たま様子を見に行ったり、仕事をしたりもしているけど、どっぷりと夜に浸かることはなくなった。


……みんな、未来へと向かっていく。


「あ。ねぇ、ところで凪は? お風呂?」


ふと、この場に唯一いない馴染みある存在に、チカが首を傾げる。すると祠稀が凪の部屋を見遣る。


「なんか携帯に電話きてから、部屋入ったきりだな」


瞬間、ざわりと胸が波立つ。


先ほど見なかったメールの内容は、なんだったのか。名前だけ確認したから、本文は読んでない。なんだったんだろう。


どんな内容で、凪に何を言ったんだ、サヤ――…。


「……彗?」

「……ん? 寝てるのかなぁと思って」


有須の俺を呼ぶ声と、祠稀の見抜こうとする視線を、さらりとかわす。


やっぱりまだ納得してないんだなと思いながら、俺はチカへと視線を向けた。


「呼んでくる? せっかくだし」

「ほんと? やった」


そうチカが笑った時、ガチャリとドアの開く音。見ると、凪が首に手を添えながら部屋から出てきたところだった。
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