僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「で、まず何する?」
ポケットから取り出した携帯を揺らすと、彗の表情が変わった。
「サヤもとい颯輔さんに電話? それとも早坂に電話?」
その辺りは、彗の判断に従ったほうが正しいだろ。あんまり保守的じゃ困るけど。
「それとも先に俺らで探すか? 威光に手伝ってもらって……っても、県外行かれちゃ成す術ねぇけど」
目を伏せ、眉を寄せる彗は何を1番に考えてるのか。それはきっと、俺と一緒だ。
「……颯輔さんは後回しにしたいんだ。ていうより、最後にしたい」
「だよな」
それは俺も思ってた。
彗が、凪自身も言ってたように、俺らの行動が逆効果だったら……その不安が全くないと言ったら嘘になる。
だからって行動せずにはいられないから、慎重かつ迅速に動くしかない。
颯輔さんに言ったところで多分なんの役にも立たないし、むしろ事態を悪化させそうだ。あの親バカっぷりは、凪に電話しまくるに決まってる。
「……凪が行きそうなところはいくつかあるから……最初は遊志先輩かな」
「ちょんまげのアホな。……知らねぇよ、アドレス」
「待って、俺知ってる」
立ち上がり、俺が掴み掛かった時に落とした携帯を彗は拾って操作し始めた。
「凪が行きそうなとこって?」
彗から携帯を受け取り、自分の携帯に遊志のアドレスと携帯番号を打ち込む。
「……早坂先生のところが可能性高いけど……今日はずっとチカと連絡取ってたみたいで。あとは……」
ついでに大雅のも登録していると、彗は言葉を濁した。気になって視線だけ上げると、彗は俺ではないどこかを見ている。
「可能性はすごく低いけど……旭さんの実家かな」
あさひって……ああ、凪の実母か。
「それってじいちゃんちだろ?」
「うん……でも遠方に住んでるし、祖父っていってもさほど面識あるわけじゃないから。それに、こっちは電話番号分かってるし……」
「それ言うなら早坂とチカの番号だって、俺ら知ってるじゃん」
携帯を返すと、彗はそうなんだよねと言いたげに眉を下げた。