僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
『あーあー、こちら遊志ー』
「……」
『応答願いますぅー。どちらさまー?』
即切りたくなった気持ちを我慢すると、思いの外でかい溜め息が出た。
『あれー? もしや祠稀くんやないの!?』
「お前今まで何してたか今どこで何してんのか簡潔に言え」
『ちょ、いきなり知らん番号からかかってきて、出てあげた俺に対してそれ!? ありえへん!』
3分だけ我慢しろ俺。イラついたら俺の負け。
「いいから早くしろっつーの……凪とサボってどこ行きやがった」
『はっはーん。ヤキモチやな? 俺が凪とサボったんが悔しくて堪らへんのやろーっ! …………え、無視!?』
黙っていると、隣に大雅でもいて何か言われたのか、遊志はゴホンと咳払いをした。
『どこ言われてもなぁー。街プラプラして飯食べて、ゲーセンとカラオケ行ったくらいやで?』
「いつ別れた?」
『大雅ー、今何時? ……5時過ぎ? ほんなら2時間前くらいやなぁ』
2時間前……ってことは1回家に帰ってきたってことか?
『まだ遊びたいーっ言うても用あるって聞かへんかったから、別れてんけど。なんかあったん?』
「それだけ? 他になんかねぇの?」
『嫌やわぁ~。めっちゃアウェイで俺のガラスハート傷付イッター!! 痛い痛い大雅痛い!』
……なんだってコイツはこんな騒がしいんだ。
遊志のうるさい声に耳から少し携帯を遠ざけると、別の声が俺の名前を呼んだ。
楽しげに口の端を上げる大雅の顔が嫌でも頭に浮かぶ。
『なんかあったの?』
「お前に用はねぇよ……」
『遊志じゃ余計な話が多くて話にならないでしょ? ……で、遊志から凪ちゃんの何を訊きたいのかな』
無駄に頭の回転が速いよな、コイツは。
ちょうど彗が飲み物を持ってきたところで、ジェスチャーだけで礼をしてから口を開いた。