[番外編]柚季の恋 ~FIRST LOVE~

初めての恋

「…季」

「柚季!!」

「えっ!?何!?」

ずっとあの男の子のことが気になっていてぼーっとしていた。

「どうしたの?ミルクティー持ったままぼーっとしちゃって」

果菜がニヤニヤしながら

「はは~ん、もしや好きな人できたとか?」

ドキッ

「なっ…何言ってるんだか…」

まぁ、その通りなんだけど

「あれれ~、顔赤いよ?」

「否定しないし顔が赤いってことは、やっぱりいるんだ」

「え…えっと…」

「「誰、誰!?」」

二人が私に接近してきた。

「分からないけど、剣道の試合で一緒だった」

素直に言えた。この二人には何でも話せる。

「どこの高校?」

「確か橘高校だった」

「橘高校?」

明華が口を開いた。

「明華、知ってるの!?」

私は思わず大声をあげてしまった。

明華は驚きながらもうなずいた。

「確か私の先輩そこに行ったから。携帯かけてみようか?」

「い、いいよ」

「せっかくのチャンスだからかけてもらいなよ」

「その子、剣道部なんだよね?」

「うん」

「OK~」

明華は携帯を手に取りかけ始めた。

「もしもし?先輩?明華ですけど」

私は明華が相手の先輩と話している間、ずっといますように…と願っていた。

「はい分かりました。ありがとうございます」

どうやら終わったようだ。

私の心臓はバクバク鳴っていた。

明華は携帯を閉じると

「先輩、剣道部で今日やるってさ」

「へっ!?」

体中から力がぬけた。
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