空をなくしたその先に
きっぱりと切り捨てて、ダナはディオを突き飛ばした。

尻餅をついた彼の手から、スーツケースが消える。

慌ててもう一人の男も、ナイフを出した。

と思いきや、ダナはそのスーツケースを盾に、一人に体当たりした。

男がよろめく。

ダナの足が跳ね上がった。

後ろからかかろうとしたもう一人の腹に、ブーツがめり込む。
思わず同情したくなるような音が響いた。

うずくまる男にはかまわず、最初にスーツケースアタックを食らわせた男にダナは対峙した。

静寂が支配したのは、ほんの一瞬。


「まいった!悪かった!」


男が手をあげた。

いつの間にかダナは男の後ろに回り込んでいる。

どこから取り出したのか、首にぴたりとナイフがあてられていた。

ひやりとするナイフの感触を感じた男の額に汗が浮かぶ。


「ディオ、そっちの男縛って!」


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