空をなくしたその先に
適当な紐が見つからなかったので、

ディオは自分のネクタイで

腹をおさえてうずくまる男の両手を後ろで交差させて縛り上げた。


「悪かった、ちょっと魔がさしただけなんだって!

ちょっと脅せばうまくいくと思ったんだよ!」


手をあげて、必死に言う男にダナは冷たい声で言った。


「誰に頼まれた?

返答次第によっては容赦しないわよ?」

「頼まれたって何のことだよ!

俺たちは、
そっちの兄さんがすごい金持ってるって情報を仕入れたから、
ちょっと分けてもらえないかなー、なんて思っただけだ」


器用に片方の眉だけをつりあげたまま、ダナはたずねる。


「つまり、ただの強盗ってわけね?」


男は慌てて首をふる。


「そうそう、ただの強盗。強盗だ」


男の首からナイフを離し、ダナはディオを横目で見た。


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