空をなくしたその先に
「そのままでもいいけど、あまりこっちに体重かけないで」


最終的にディオの方が譲渡したのだが、
その後は読書に集中するどころではなかった。

どうしてもダナの一つ一つの動作を意識せずにはいられない。

ダナの方はというと、気になる記事を見つけるたびに、


「これってどうなの?」


とディオに質問を投げかけ、雑誌を堪能しているようだった。

結局部屋から一歩も出ることなく、その日は暮れた。

別の客室に泊まっているフレディの従者が時々出入りする以外は、
人の出入りもなく平和な一日だった。

食事を部屋まで運ばせれば食堂へ行く必要もない。

外の空気を吸いたいと思わないわけでもなかったが、部屋を空けるのもためらわれた。

夕方になって、
腹減ったと言いながら出てきたフレディは、
今日もしっかり正装に身をつつんでいた。
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