空をなくしたその先に
サラは、艦長室で豊かな髪を丁寧に編んでいた。

情事の後はどうしても、編んだ髪が崩れてしまう。

事前にどれほどきつく編みこんでいたとしても、だ。


「なんで女って奴は髪を編むのにそんなに時間がかかるんだろうな」


ベッドからのんきな男の声がする。


「誰かさんがぐしゃぐしゃにしなかったら、編み直す必要もないのよ」

編み終えた髪を背中へと払いのけて、サラは勢いよく立ち上がる。


「さっさと自分の船へお戻りなさいな、部下たちが心配しているわよ」

「してねぇよ。戻りは明日の朝と言ってきた」


サラの口から、大きなため息がもれた。


「それじゃ好きにしていたらいいわ。

私は見回りに行ってくるから、先に寝てもかまわないわよ」


ブーツに足をつっこんで、サラは部屋の外に出た。

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