空をなくしたその先に
相手は悪びれる様子もなく、平然と椅子を引き寄せて座った。

脚を組み、椅子の背もたれに片腕を預けた状態でダナを見つめる。

ディオになりたかったと言われても、ダナには意味するところがまったくわからなかった。

混乱する頭を必死に回転させて、彼の真意を汲み取ろうとする。


「誘拐したのはすまなかったけれど、君をどうこうするつもりはない。

ディオとの交渉材料に使えそうなのは君くらいだからね。

設計図さえもらえれば、無事に帰してやる」

「設計図?」

「雷神の剣、だっけ?

あれさえもらえれば、俺は文句を言わずこの国から出て行くよ……いずれ攻め込むつもりだけどな」


悪びれた様子もなく、フレディは笑った。


「どうして?どうしてそんなことを?」


拘束から逃れようとする気力さえ一瞬にして奪われた。

危ない橋をわたって、自分の生命を投げ出してまで、二人を王都まで連れ帰ってくれたというのに。

今度は攻め込むというのか?
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