屋上で君と クール君とサボり魔
「ふぅん……気に入った」
彼はそう言って校舎裏に消えて行った。
この出来事は、一か月前くらいのことになるかな。
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「先生ぇー…ちょっとトイレ行って来ま~す」
「……長倉、またお前か・・・勝手にしろ」
「はぁ~い、じゃ勝手にさせていただきま~す」
ガラガラッ...
あたしは教室のドアを開けて、トイレとは反対方向の階段を上り始める。
トイレなんか行きたくない。
ただのサボる理由。
転校してすぐ、遅刻魔でサボり魔になったあたし。
あたしのようなサボり常習犯になってくると、担任は最早何もツッコんで来ない。
それはそれで、寂しいような腹が立つような。
「ふぁ~あ・・・ねむ・・・」
欠伸で潤んだ目を擦りながら、屋上のドアを開く。
そして古いベンチに寝転がって、晴れた空を見上げる。
「・・・あ~・・・寝れそう・・・」
もう一度大きい欠伸をして、目をゆっくりと閉じる。
その瞬間。
「ここで何やってんの?」