屋上で君と クール君とサボり魔



「あ……小田切せんぱ…」


あたしはうつろな目をうっすら開けた。

目の前には青空じゃなく、不機嫌そうな先輩の顔。



「物理の時間、ほんとに嫌いなんだね」

「だって…眠くなるんですもん」

「授業くらいちゃんと受けなよ」

「はぁい…」



先輩だってサボってるくせに…と思ったけど、言わなかった。

言ったら先輩、拗ねますもんね。

『僕は特別』とか言って。



初めて会って少し経ったころ。

あたしはこの屋上で、小田切先輩と会った。


会うのは二回目のはずなのに先輩は、


『ここ、僕の特等席だから』


って自己中心的な発言をして、このベンチからあたしを追いだそうとした。





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