美女の危険な香り
第19章
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 元日の東京の空は時折雲が出るものの、晴れていた。


 だが、気温は十℃を下回っている。


 相変わらず冷え込んでいた。


 俺たち二人は元旦から部屋で缶ビールを飲んだ後、食事を取るため、階下のダイニングへと向かう。


 乗ったエレベーターの中でも手を繋いでゆっくりと外の景色を見つめていた。


 さすがに街の動きは鈍い。


 六本木の街は人通りがある程度はあるものの、正月なので、普段のように人が絶えず行き来しているわけじゃない。


 東京都民は初詣となると、大抵明治神宮に行く。


 ところが俺は最近、ここ数年ほど神社に行ったことはなかった。


 確かに年末年始の休みはある。


 ただ、俺自身が普段からたくさん仕事をしていて、心身ともに疲れきっているので、正月となると寝正月になってしまうのだ。
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