勝利の女神になりたいのッ!番外編
「芽衣っ!」
私と佐和さんの横を弾丸のような勢いで駆け出す嶋田さんと女の子達の悲鳴。
さっぱり状況がつかめない。
いったい何が起きてるの?
芽衣ちゃんは大丈夫なの?
たくさんの人の前で佐和さんに抱き締めてられていることすら気にならないくらいに私の頭のなかは混乱していて、
「俺の腕の中で考え事するなんて余裕だな。」
くるりと体を反転させられて佐和さんの腕の中にぎゅうっと閉じ込められた。
「キャーッッ…」
「イヤーッッ!」
耳に突き刺さるような悲鳴にハッとして佐和さんの腕から逃れようと体を捩っても力強い腕はびくともしない。
「マジうるさい。」
ハァー…と大きなため息を吐き出してから私を解放した佐和さんは、
「紫衣、俺に何か渡すものない?」
私だけに話すのではない声量で尋ねた。
「渡すもの?」
ある。
あるけど今は人目もあるしと戸惑いがある。
だから誤魔化すように言葉を紡いだのに、
「ないなら、いい…。」
ちょっぴり不機嫌に冷たい声が降ってきて、
「あああ、あります!」
勢い良く吐き出した言葉は噛みまくりで、
「なら、今ちょうだい」
ニッコリと笑う佐和さんは手を私に向けて差し出した。