勝利の女神になりたいのッ!番外編


笑顔の佐和さん。


うっとりするくらい綺麗で見惚れていると、


「あのッ!!私のも受け取って下さい!!」


人垣の中をかき分けるようにして佐和さんの隣に並んで立つ女の子が綺麗にラッピングされた包みを差し出した。


ビックリしてその女の子を凝視する私の瞳に映るのは頬を赤く染めて恥ずかしそうに俯く姿。


白いフワフワとしたニットのワンピースを着た清楚な感じの女の子。


顔もとっても可愛くて自信喪失...。


それになんだかタイミングを逃した状態で私のプレゼントは出しにくい。


だから自分は後にしようと鞄に掛けていた手を引っ込めた。


「抜け駆けするなんてズルいじゃない!!」


「あの子なんなの?!」


周囲から飛んでくる言葉はとても強く勢いを増す。


「うるせぇ...」


さっきまでとっても綺麗な笑顔だった佐和さんは不機嫌そうに眉間に皺を寄せてうんざりという表情を浮かべながら小さく呟いた。


結局少し大人しくなっていた周囲の女の子たちもまたキャーキャーと声を出しながらずんずん佐和さんに近づいてきて、私はいつの間にか佐和さんから離れた場所にポツリと1人になっていた。


女の子に囲まれる佐和さん。


「紫衣!!」


中央にいる佐和さんが必死に呼んでくれるけれど、佐和さんの姿は見えない。


Valentineってこんなに激しいものだったなんて知らなかった。


それとも佐和さんが特別なのかな?


だって佐和さんはとっても女の子に人気がある。


嶋田さんだって同じ。


性格が違うから対応の仕方が全く違う2人だけど、芽衣ちゃんは愛想のいい嶋田さんが誰かに盗られちゃうじゃないかっていつもハラハラしているもんね。












< 259 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop