勝利の女神になりたいのッ!番外編
泣きじゃくる紫衣を引き寄せて腕の中に閉じ込めるように抱きしめた。
その涙は誰のためのもの?
お前に涙を流させるのはいったい誰なんだ?
お前の心の中にいるのは誰なんだ?
俺じゃダメか?
俺じゃお前の涙を止めてやることはできないのか?
「おい!!」
泣き続ける紫衣の肩を掴んで体を離した。
そして頭からタオルを被せたんだ。
涙を止めることはできなくても拭ってやることはできるだろう?
今はそれで充分だ。
「大丈夫だったか...頭...。」
頭をぶつけたショックで泣いていたんだろう。
そう言うことで彼女は俺に気を使わなくてすむだろう?
だからその涙は頭を打った痛みとショックの涙ということにしておいてやる。
「ありがとう。大丈夫だよ。」
はにかんだ笑顔で答える紫衣。
だけどこれで終わりじゃない。
次は俺が誘いやすくするために声をかけさせてくれ。
「嶋田とお前の友達は散歩してくるって言って出て行った。」
「そっか、私寝ちゃったから..石野さんに迷惑掛けちゃったね、ごめんなさい。」
優しい紫衣が謝るのはわかっていた。
そのまま俺が車をおりたらお前もついてくるだろう?