モノクローム

あたしは何だか大袈裟だったかな…


それとも口実に話しかけたと思われたかな…


そう思うと更に恥ずかしくなり



「あ、それだけです!
失礼します!」


と早口で言うと、小走りに地下鉄の方へと向かった。





地下鉄に乗っても、まだドキドキはおさまらない。


それどころか、話ができたことに

異常に興奮していた。



(でも…あたしのことなんか…覚えてなかったんだよな…)



もしかして、前からあたしを知ってて

それで声かけてくれたのかな…


なーんて期待してたんだけど。



あたしは思い立ったように明日香にメールをする。



『おはよ!黒の君と話しちゃった〜!!o(><)o』


『おは〜!まぢ?!
やったじゃん(^_-)-☆
何話したの??』


『学校着いたらまたゆっくり話すわ!』


『わかったよ〜!
楽しみにしてるね☆』





あたしは地下鉄の窓に映った自分の顔が

ニヤケていることに気付くと

思わず誰かに見られていなかったかと恥ずかしくて

キョロキョロした。



(やだ…変態じゃん!)
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