恋人未満なキミとオレ~キミには言えない秘密の想い~

打ち寄せては引いていく 

波の音に誘われて

月の光に輝く水面に 足を滑らせる


戸惑うキミに 『大丈夫』と手を引いて

水の中へとキミを誘う



水面にキミのドレスの裾が舞い

踊るようにキミを誘う



月の光に浮かぶ キミの横顔

泣きそうなほど 切ない横顔

見つけた瞬間に 抱きしめていた




逃げようとするキミを捕まえたくて

『このままで』

我儘な言葉をキミに投げかける


押しつぶすほど 強くキミを抱きしめて

オレは月夜を見上げ

こぼれ落ちそうな涙をこらえ 

キミの耳に囁いた



『泣いてもいい?』




キミのために泣いてもいい?



そうは聞けないオレの声を

どうか月夜だけには 拾って欲しい



キミの痛みを全部 オレが包んでしまえたら

キミは笑ってくれるだろうか?
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