女シャブ売人人生-波瀾万丈な一人の女の物語-
『プルルル~ップルルル~ッ…プルルルッ』
私の携帯が鳴った。
携帯を手に取り誰から着信なのかを見た。
先の人からだった。
『どないしたんやろ』
そう思いつつ電話にでた私…
『はい、もしもし。おはようございます』
『おぅ、おはよう』
『どないしたんですか?着信入るから何かあったんかな思うて』
『特に何もないんやけどな、昨日の晩よちょっと人と待ち合わせしててミナミのインターネットに行ったら、えりながおったぞ。あのJいう男と一緒に座ってゲームしとったわ』
『そうなんですか?今、もう別々で商売するってなってから連絡とってないんですよ。J君の関係からシナモン段取りして貰ってるはずですよ。うちの関係とは直接やり取りするなってなってますからねぇ』
『そりゃそうや。わしに仮にいうてきたとしても静香を飛び越えた事になるから静香に言えいうし静香に連絡するからな』『はい、でも多分よう連絡せん思いますよ』
『ま、仮に連絡あったらの話や。昨日えりなとバッタリあったから、それだけの事やったんやけどな。』
『わかりました。インターネットとはびっくりしましたわ』
『わしもびっくりしたがな』
『確かに』
『ほな、また何かあったら連絡くれな。』
『はい、ありがとうございます。失礼します』

たわいもない会話をした後電話を切った。
やはり予想通り先からはえりなの事で連絡が来ると考えていた通り。
お互いの関係から誤解を招かない様にすぐ連絡くれたのが口調から伝わっていた。
私の中では、えりなが何をしようがJ君がいるからどうでもよかった。
という表現より、えりなの行動を知っていきたくなかった。
段々と早いペースでエスカレートしていく事を予想していたから。
そして、エスカレートしていくえりなを止める事もできない自分もいたから。
言葉で伝えても同じ。
J君といる限りエスカレートしてカタも変わっていく気がした。
確実に…
その事の全てが、えりなは刺激を受け新鮮さを感じ好奇心と共に毎日が楽しい気持ちになっていたのも別々になってから話を耳にするたびに感じていた。
ノンストップ状態。
止める事はできない。
えりなの事より、私はえりなの子供の事が心配で仕方なかった。
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