いつも一緒
時と共にわたしの犬神は成長していき、ついには眼に見えるまで成長してくれた。

それまで何となく気配は感じていた。

その正体を知らずとも、怖くはなかった。

「…後悔は、していないのか?」

わたしは深く頷いた。

犬神も同じように、頷いた。

「そうか。なら、私は何も言うまい」

その人は深く息を吐くと、その場から去った。

わたしは歩いて、犬の首を埋めた場所に立った。

体は近くの森の中に埋めた。

目印として、大きな石を墓石代わりに置いた。

でも、用があるのはこの首だけだ。

ここら辺には神社はなく、近所の人達は皆、何か用がある時はこの神社を訪れる。
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