窓に影2
そう、歩のお願いとは同棲をすることだった。
そのためにこうして、互いの両親に許可を取ろうとしているのだ。
シーンと静まり返ったリビング。
時計の秒針が進む毎に緊迫した空気に張りが増す。
静寂を破ったのは、普段は無口な父だった。
「歩君」
「はい」
「二人で暮らすのがどういうことか、わかってる?」
歩は2~3秒黙った後に、ゆっくりと答えた。
「正直、わかりません。親元を離れたこともないし……俺が思っているよりずっと苦しいかもしれない」
そんな言葉を聞くと、不安になる。
私は視線だけで歩を包んだ。
「同棲のこと、夏休み頃からずっと考えてたんだ。だから実は、奨学金も借りることにしてる」
「歩、いつの間に!」
カナママを中心にみんなが驚いた顔をした。
「本気なのね……」
諦めとも取れる、ため息混じりの言葉。
私たちの意向に否定的であるのがわかる。