窓に影2
「片道二時間かけて通うより、楽になる。二人の定期代で家賃が出るんだ。他の生活費はバイトで賄うよ」
きちんと計算された歩の話に、大人たちはガヤガヤと話し出した。
「二人が本気なら……」
「でも何があるかなんてわからないし……」
賛成意見も反対意見も行き交い、だんだん不安が膨らんでいく。
そんな私に気付いた歩が、私の手を握った。
フッと微笑み、心の淀みは薄らいでいく。
「大丈夫」
手からそう伝わってきた。
「恵里ちゃんはどうなの?」
逼迫した表情のカナママからの質問にたじろぐ。
「え?」
「恵里ちゃんは、同棲のこと、どう思ってるの?」
私は歩の手を握り返して、カナママをなだめるように話した。
「あたしは……歩のこと信じてるから。家を出るのは不安だけど、歩と一緒なら怖くないよ」