Boys Kissシリーズ・『演技のキス・2』
「もったいない」

背後で彼が立ち上がった。

そして後ろから抱き着いてくる。

「…じゃあ、二人きりの時なら良い?」

耳元で熱い吐息を感じて、思わず身を小さくする。

「イヤだ…」

「なら、こっち向いてよ。眼に焼きつけといたい」

コスプレを要求されるよりは、マシか。

俺はゆっくりと振り返る。

「ああ…やっぱりキレイ。今日だけなんて、もったいないよ。本当に」

「お前、いい加減しつこいぞ?」

「うん、ゴメン。でも仕方ないよ。だってボクは…」

頬にそえられるキレイな手。

少し上を向かせられ、…重なる唇。

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