Boys Kissシリーズ・『演技のキス・2』
「キミの恋人なんだから」

「…どこで選択を間違えたんだろう?」

「ひどっ!?」

「だってそうとしか、思えないだろう?」

同じ部活で、同じ歳で、しかも同じ性別…。

いくら男子校だからって、恋人に同性を選ぶなんて…。

「でっでもボクは、今更別れる気なんてないからね!」

「大声出すな」

声に怒気を含ませ、俺は軽く彼の頬を抓った。

「ひだっ」

「後悔は別にしてない。あの時、決めたのは俺自身だから」

彼の俺を見る眼に、特別な感情が含まれていることに気付いたのは、この劇の練習をはじめてからだった。

どこか熱っぽく、甘い感情。

否定しようのない熱い感情に、俺は嫌悪を感じなかった。

だから…受け入れた。

彼の気持ちを。

「…ホラ、そろそろ本番始まるぞ」

「うっうん」


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