Boys Kissシリーズ・『演技のキス・2』
そして幕は上がった―。

劇場時間は一時間。

講堂は立ち見までできるほど、満員。

後は演技力にかかっている。

脚本は部長が担当している。部長は俺や彼のことを良く理解してくれて、与えられた役もそう難しくは無い。

だから自然に演じられるのが嬉しい。

でも…演じている間にも、彼のことを考える。

彼はいつも俺に、感情をぶつけて、愛情をくれる。

俺もできる限りは返したいと思っている。

彼を、愛しているから。

でも演技はできるのに、本当の俺だとうまく相手に感情が伝わらない。

それがもどかしい。

彼だって、不安になっているだろう。
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