子供+大人=恋?の方程式
突然のことで、何も言えなかった俺。
だけど、俺が「いい」と返事をする前に、静香は俺の隣の席に座った。
どうしてこいつが―――?
「お前、この講義取ってたか?」
すでに前期も半ばに入った段階だが、今までこの講義で静香と一緒になったことはない。
それどころか、学部が違う俺たちと静香が同じ講義を取ることなんて一度だってなかった。
「ううん。
ちょっと、圭史と話したかったから。
この講義の先生。
出席とか取らない先生でしょ?」
「あ、ああ…」
だからと言っても、こんな風にわざわざこの場に来る静香に警戒せずには居られなかった。
それに、コウから聞いたこともある。
わざわざ茅乃に会いに行ったということにも―――…。
そのせいで、茅乃はこいつに罪悪感まで抱いて、俺から距離を置かなくてはと思ったぐらいなんだ。
でも、それで俺がキレてキスをするまでのことになったんだが―――…
「俺、席離れたほうがいい?」
静香とは反対側の隣に座っていた雅紀は気を利かして席を立とうとする。
俺は慌てて雅紀の腕を掴んだ。