子供+大人=恋?の方程式





 静香はジッと俺のことを見てきた。


「だけど知ってる?」


「何が?」





 小声で話す俺たち。


 だけど、言葉の端々に静香の勝ち誇ったような言い方が癪に障る。


「茅乃ちゃん。

圭史のこと、なんとも思ってないんだって」





 ああ、こいつが言いたかったことっていうのは、これだったのか―――…。





 俺は冷たい目で静香のことを見た。


 急激に気持ちが冷えるのがわかった。


「そんなこと知ってる―――…」





 前を向き直る俺。


 土曜日の茅乃とのことを思い出すと、茅乃の気持ちがそうではないのはわかる。


 だけど、あえてこいつにそのことまで話す必要はない。


「知ってるのに、まだ好き? 

望みなんてないのに?」





 望みがないから諦めろってか?


 そんなことを言いたいがために、わざわざこんなところまで来たってか?


 本当にしつこい女。


 こんな女だとわかっていたら、関係なんて持たなかった。


 俺も少しは考えればよかった。


 言葉の奥に嘘が隠れているかもしれないと―――…。


 そのことを考えなかったのは、俺の完璧なミスだ。





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